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経営者Q&A

新製品の開発はこの手で(2009年12月)

Q
新製品を開発しないと生き残れないのですが、なかなかヒントが見つかりません。どうすれば良いでしょうか。
A
大抵の社長には得意技があるはずです。その技に名前をつけて発想すると効果的ですよ。例えば、小林製薬は「熱さまシート」とか「ナイシトール(お腹の内側の脂肪を取る)」など、新製品開発を得意とする企業ですが、これは「あったらいいなを形にする」という方針からきています。私はこれを「あったらいいな戦略」と呼んでいます。
Q
なるほど。しかし、大手企業ではなく、中小企業でもうまくいきますか。
A
同友会・大田支部のメンバーの「レントラ便」などもこの括りに入りますね。これは「レンタカーと運転手をセットする」ことで利用しやすくした例です。また、目黒に、医者の「白衣」をイタリアンデザインのカッコいいものにして成功している企業などもありますよ。
Q
なるほど......。ほかにも戦略がありますか。
A
似ていますが「安けりゃいいな」あるいは「安けりゃ買うけど」という戦略もあります。これは、「欲しいけど高いんだよなー」と思う商品やサービスに向いています。 これは、最近の990円ジーンズのヒットや、「格安レンタカー」などがあります。格安レンタカーは今までの約半額という安さです。これは、ガソリンスタンドが中古車を使って営業しています。レンタカーに必要な「洗車」「清掃」「整備」などは自前の人材で間に合うから安くできるんですね。今年の3月から初めてもう200店位と急成長していますよ。 いま、私が考えているのは「イチロー戦略」です。今までの野球は内野ゴロだと「ダメだー」とがっくりでしたが、イチローは「オッ! 内野安打になるかな?」と、新しいスリルを提供したんですね。つまり、ありふれた商品でも、イチローの「走力」のような新しい付加価値をつけることで商品が生まれ変わるということです。 例えば「マッサージチェア」というと、古びた温泉の片隅にあってパッとしないイメージです。しかし、パナソニックの商品は、洒落た部屋にも置きたくなるスッキリしたデザインで大人気です。これは、インテリアの角度から、デザインという付加価値をつけた結果なんですね。 こんな具合に、得意な戦略に名前をつけると発想が広がるんです。皆さんも自社の成功した戦略に名前をつけて、考えてみてください。 私は、昔から「大魚の舞」戦略を得意にしています。これは「小さな池の大きな鯉」ということで、ニッチな小さなマーケットで最高のサービスを提供し、ダントツの一番になることです。その結果、安定した地位と利益が転がり込んで、踊り出したくなるということです。 これは人・モノ・金の足りない中小企業全般にとって必要な戦略ともいえますが。
根本 寛(目黒支部) 近代経営研究所, 日本筆跡心理学協会・代表 中小企業診断士・筆跡鑑定人 http://www.kcon-nemoto.com
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